決定権と裁量権をもった新しい2つのポジション
「スペースで専門職の募集?」と意外に思った方もいるかもしれません。それもそのはず、今回は、社内でもまだ数名しかいない新しいポジションの募集です。
募集するのは大阪本部。現場で立ち回れる「プロダクトディレクター」と、自由な発想で動ける「新規開発営業」です。それぞれの分野に特化して力を発揮できる、決定権と裁量権をもった専門職またはチーフ待遇の2つのポジションを用意しました。
求めているのは専門性をもったキャリア(経験者)です。今の仕事を辞めてスペースに来ていただくからには、納得して、ワクワクして来てほしい。ぜひ、お互いにいい出会いにしたい。そう願っています。
そこで、大阪本部がこれからどんなことをしたいのか、どんな人と一緒に働き高め合っていきたいのか。大阪本部で採用を担当するわたくし野村が、大阪本部のトップである本部長・塚谷に聞きました。

変化する街。空間もモノだけでなくコトを求める
野村:
今回は大阪本部での募集となりますが、大阪の空間づくり市場は、今、どのような状況にあり、どんな面白さがあるのでしょうか?
塚谷:
大阪は、2025年に大阪万博を控えています。医療をテーマにした中之島エリアの再開発も進んでいます。第2ステージを迎えた梅田エリアの開発も勢いを増していきます。街としてこれからますます面白くなっていくでしょう。
スペースは、大阪、東京、名古屋、福岡の4都市に拠点をもっています。それぞれの土地に個性がありますが、とりわけ大阪を中心とした関西圏の商空間マーケットはほかの都市とは違っています。ひとことで言うなら「分散型マーケット」です。
大阪、神戸、京都と、色の異なる街が点在し、こちらではよくても、あちらの街では通用しない。文化的・観光的空間も多く、モノだけでなくコトを目的とする場も求められます。小規模な路面店が多いことも特徴です。そんな関西エリアを商圏とする仕事はじつに多彩です。

病院、図書館、道の駅。多彩な空間をつくっていく
野村:
そんな関西圏で、スペース大阪本部としては今後どのようにビジネスを広げていくのでしょうか?
塚谷:
商空間を取り巻く状況はこの4〜5年で大きく変わりました。オンラインショップの興隆と実店舗の減少です。この流れは世界的なもので、今後も続くでしょう。
そうした時流のなか、大阪本部では数年前から事業領域拡大の一環でこれまでにないプロジェクトにも力を入れています。ホテル、銀行、図書館、オフィス、新聞社、道の駅なども手掛けることができました。今後は病院や公共空間をはじめ、歴史ある専門店など、この地域の特性を掴みながら空間づくりの領域をさらに広げていきたいと考えています。
お客様の業種・規模にかかわらず「顧客対応型」を大切にしながら事業領域を広げていくためには、先ほど挙げた空間を形にしていける制作・施工のスペシャリストである「プロダクトディレクター」が必要です。そして、既成概念にとらわれない「新規開発営業」とともに新しい分野を切り拓いていきたいと考えています。行政分野の経験のある方などは大歓迎です。
スペースの最大の魅力は「顧客対応型」
野村:
商空間・ディスプレイの業界内では、スペースといえばおそらく「間口が広い」「1人でなんでもやる」「ゼネラリスト」という印象が強いと思いますが、なぜ今回はスペシャリストを募るのでしょうか?
塚谷:
たしかにスペースでは、企画・営業・設計・デザイン・制作管理・施工管理・アフターメンテナンスまで、すべてをやりこなせるゼネラリストが数多く活躍しています。
「スペース=ゼネラリスト集団」と思われがちです。
しかし、それは少し違います。
「スペース=顧客対応型集団」というのが本当の姿です。
営業担当がそれぞれに顧客をもち、プロジェクトごとにメンバーをアサインするのが一般的な会社の形ですが、スペースでは、設計・施工を担う営業から専門職を含めたチームがひとつになって顧客担当として動きます。
このスペースの「顧客対応型」組織は、われわれが得意とする大型商業施設の空間づくりに最適な形です。2000年以降、法改正に伴い全国的に郊外型ショッピングセンターが急増しました。そうした需要に応えていく時、ゼネラリストのスキルは大いに役立つものなのです。
野村:
なるほど。スペースにゼネラリストが多い理由がよくわかります。
塚谷:
ちなみに、社内の顔ぶれを思い返してみても「ゼネラリスト」というよりも、「多能工」「マルチスキル」という言葉の方がしっくりきます。また、個人的には「多能工職→専門職」の道はあれども「専門職→多能工職」の道はたやすくない。そんなふうにも感じます。

得意なことで力を発揮し、不得意なことは人にまかせる
野村:
塚谷さんが大阪本部の本部長になり3年が経ち、私たちも現場でさまざまな変化を感じています。塚谷さんはどのような考えや思いで、この160人余りの大阪本部を率いているのですか?
塚谷:
わたしは終わったことには縛られません。これからのことをやるのが自分の役割だと思っています。過去にとらわれず、決めつけず、正解を探し続けることが大切です。まずはやってみて、走りながら軌道修正すればいい。
会社は学校ではありませんから、それぞれが得意なことで力を発揮し、不得意なことは上手な人と組めばいいのです。役割と責任を明確にして、まかせるところはまかせあっていきたいと思っています。
今、スペース大阪本部はいわば新規事業の立ち上げともいえるタイミングを迎えています。大阪を舞台に、一緒に新しい空間をつくっていきましょう。

大型商業施設のさらなる可能性を一緒に探りたい
野村:
最後に、塚谷さん個人としての今後の展望を教えてください。
塚谷:
大型商業施設は今、一時期の勢いはないとはいえ、膨大な床面積をもっています。そして、スペースには日本中の大型商業施設とのネットワークがあります。
どんなにオンラインショップが増えても、リアル店舗が消滅することはありません。いずれ、商業床の活性化の波がくるでしょう。「屋上をドローン基地にしよう」というような話も出るかもしれません(笑)。
その時に、わたしはスぺースのお客様の役に立ち、その地域の役に立ちたいと思うのです。空間づくりだけをお願いされるのではなく、ともに考え、どんな相談にも応えられるようになっていたい。そのためにも、商業空間に限らずあらゆる領域で実績を重ねておきたいと思っています。
